監修/久保田千鳥:ちどりこどもクリニック院長、小児科医
例えば・・・小さい頃は喜怒哀楽があまり見られない、一人遊びの多い子でした。
- ●言葉は話せるのに、会話のやり取りがチグハグ。
- ●車や時計が好きで玄関の時計を何度も見に行ったり車種をいくつも知っている。(特定の物へのこだわり)
- ●先生やお家の人が聞いたことに答えず、自分の言いたいことばかり一方的に話す。
- ●幼稚園などでは集団活動のダンスをしないのに、家では覚えていてちゃんと踊れる。
- ●行事や新しい活動など、いつもと違う状況を嫌がって参加を拒否する。
- ●雨が降ったなどで行き先が変更になるなど、急な予定変更を受け入れられない。
想像することが苦手なため、相手の気持ちや状況を読み取ることが得意ではありません。自分の世界があり、好きなように行動しているように見えますが、実は状況や指示が理解できていない、ということもあります。言葉についても、お話をしてくれるので分かっているように見えるのに、実際には分かっていないことも多く、耳で聞くより、目で見て理解することの方が得意です!!(視覚優位)
特定のものへの興味がとても強い部分もあります。
- 時計へのこだわりが強く、一日に何度も見に行く・・・
- こだわってしまうこと自体を止める必要はありませんが、際限なくやるのでなく、見に行って良い時間や回数など、ルールを決めることが有効な場合もあります。いつ見に行けるのか、の見通しがつくと、その時まで待てるお子さんもいます。その場合、ルールは視覚で示すのが大切。お家の人が「もう○回見に行ったでしょ!!」と怒鳴ってもあまり効果がありません。メモやノートで、見に行ったら○印を付けさせるなど、視覚で確認できるようにすると良いですね。何時に、と決める場合、まだ時間が読めないお子さんの場合は携帯のアラームなども使ってみて下さいね。
- 自由遊び、自由画になると何も取り組まない・・・
- 自由に想像し展開させていくことが苦手なので「自由」だと何をしたら良いのか分からなくなってしまうことがあります。自発性を伸ばしたいとしても、本人には逆に負担に・・・お手本を見せたり、いくつかテーマを書き出して選ばせるなど、少し具体的なテーマややり方を示してあげると良いですね。
- 思っていることと違うことが起きると、拒否したりパニックになったり・・・
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想像することが苦手なため、予期せぬことへの混乱が大きいので「もしも雨が降ったらお部屋に戻るよ」など、事前に起こりうるイレギュラーなことを伝えておきましょう。
例えば予防注射でも、いつも同じシールがもらえるとは限らないですよね。欲しかったシールじゃなかった時、泣いてしまったり暴れてしまったりした経験がある場合は「今日は○○のシールじゃないかもしれないよ」と最初に伝えておいてみて下さいね。
実際に拒否したりパニック状態になってしまったら、まず「残念だったね」と気持ちに共感してから、例えば「お家でおやつにしよう」など、その後の見通しを伝えて気持ちを切り替えるようにしてみましょう。パニックが大きい場合は、少し落ち着くまで待ってから声かけをしましょう。